文章力を高めるために…良い文章を書くコツとトレーニング方法
パソコン、スマートフォン、手書きなど「文章を書く」ことは私たちの生活のあらゆる場面で行われています。でも、多くの人は自己流で何気なく書いているため、文章の良し悪しについて考える機会は少ないものです。
・良い文章ってどうすれば書けるようになるの?
・文章を書くことに苦手意識があるけど、なんとか克服したい
・ある程度は書けるつもりだけど、もっと文章力をアップさせたい
人の心を動かし印象に残る文章が書ければ、SNSなどで影響力を発揮できたり、その道のプロとして仕事を始めたりするのも夢ではありません。
文章をより良くするためのコツ、文章力アップに効果的なトレーニング方法についてご紹介します。
そもそも「良い文章」とは?
「良い文章」の定義は、ブログ・メール・ビジネス文書など文章の種類や、読む相手によって少しずつ変わるもの。しかし、誰にどんな内容を伝える場合でも、共通して大事にすべきポイントが4つあります。
【1】文章量が多すぎたり、長すぎたりしない
どんなに素晴らしい文章でも、長すぎると読む気がなくなってしまいます。
【2】TPOに応じた言葉遣い
子ども向けならひらがなの多い文章、ビジネスなら正しい敬語を使った文章など。読む相手にあわせた言葉を選びましょう。
【3】難しい用語は使わず、誰にでもわかりやすい内容
文章内に専門用語や英語などを多用しないようにしましょう。
【4】読む人が欲しい情報がしっかり入っている
読む人の「これが知りたい!」という要望を満たすことが大事です。
この4つのポイントをおさえるだけで、文章のわかりやすさ・読みやすさはぐっと改善します。ぜひ普段から意識してみてくださいね。
文章力が高い人の特徴
文章力が高い人は、そうでない人と比べて何が違うのでしょうか。ここでは、良い文章が書ける人が身につけている力について解説します。
◆読み手を想像して文章が書ける
「文章を書くとき、何を書いたらいいのかわからない」
「書き始めてもすぐに手が止まってしまう」
そんな人は、読む相手のことを想像しながら書くと、比較的スラスラと文章が出てくるようになります。文章力が高い人は、ブログにしてもメールにしても、どんな人が読むのかを細部まで想像して書いているからこそ、伝わる文章が書けるのです。
例えば、誰かに手紙を書くときに、送る相手を決めずに書き始める人はいませんよね。手紙で気持ちを届けたい相手に合わせて、話の内容や言葉遣いなどを決めていると思います。それと同じ要領で、普段の文章を書くときも相手の顔を思い浮かべましょう。
ブログであれば、読んでくれそうな人の年齢・性別・職業・趣味などの人物設定を決めてから書くと、その相手に自然と語りかけるような文章になり、読んでもらいやすくなります。
◆順序立てて説明できる
文章を書くときは、どんな筋道を立てて物事を伝えるかがとても大事です。これを「文章構成」と言いますが、文章の要点・本文・結論がすっきりまとまっていないと、文章の中で必要な情報がバラバラと散らばった印象を与え、読みづらさにつながります。
本ではよく第一章・第二章などの章分けがあり、その中により詳しい内容が書かれていますよね。本ほど細かく分ける必要はありませんが、普段の文章も「章」を意識してみると、よりわかりやすい文章に近づきます。
「大まかなトピックス」→「今から述べることの概要」→「詳しい説明」という流れにすれば、情報が整理された無駄のない文章になります。
◆語彙力がある
語彙力とは、多くの言葉を知っていて、その言葉を適切な場面で使いこなせる能力のこと。いくらたくさん言葉の意味を知っていても、それを運用できなければ「語彙力がある」とは言えません。
語彙力は読書・映画・お芝居など、幅広いジャンルの言葉に多く触れることで鍛えられるものなので、大人になってからでも高めていくことは十分可能です。
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良い文章に仕上げるコツ
良い文章を書くには、いくつかのコツがあります。ここでは基本的な8つをご紹介しますが、どれも基礎的でシンプルなものばかりです。コツをおさえて日々の文章作成に取り入れるだけで、ぐっと読みやすくわかりやすい文章が書けるようになりますよ。
【1】結論ファーストで書く
良い文章とは、筋が通っていて納得できる・一度読んだだけで内容がすんなり理解できるもの。そんな文章のほとんどは「PREP(プレップ)法」という手法で書かれているのをご存じですか?
P:Point(結論)
最初に、文章で伝えたい結論を簡潔に書く
R:Reason(理由)
結論に至った理由を述べる
E:Example(具体例)
結論と理由がなぜ結びつくのか、例を交えて紹介する
P:Point(結論)
もう一度結論を書いて、印象づける
「いま何の話をしているのか」が明確になり、読む人を納得・安心させる効果があります。また、結論を2回伝えることで、伝えたい内容が記憶に残りやすいという特徴もあります。
「PREP(プレップ)法」は文章を書くときだけでなく、日常で話をするときにも使える手法です。自分の言いたいことを誤解なく相手に伝えたい人、ついつい話が長くなってしまう人は、ぜひ活用してください。
【2】主語と述語の対応に注意する
小学校で習った国語の文法は、大人になると多くの人が基本を忘れてしまっています。その結果、知らず知らずのうちに主語と述語が対応していない文章を書いています。
◆主語
文章の最初にある文節で「○○は」「○○が」などと表現される部分
◆述語
文章の最後にある文節で「○○をする」「○○である」などと表現される部分
以下の文章を見てみましょう。それぞれ、主語と述語はどのような関係になっているでしょうか?
①この商品は、地球環境に配慮してリサイクル素材で作られた商品です。
→主語「この商品は」/述語「商品です」
②この商品は、リサイクル素材を使用して地球環境に配慮しています。
→主語「この商品は」/述語「地球環境に配慮しています」
①の文章は、主語と述語が同じことを意味していて、具体的な説明とは言えず、少し読みづらい文章ですね。
一方、②の文章は主語と述語がしっかり対応していて、説得力のある内容になっています。自分の書いた文章をチェックする際には、主語と述語の対応にも気を配ると良いでしょう。
【3】一文一義を意識する
一文一義とは、一つの文章は一つの事柄だけに集中して書くことを意味します。例えば、次の2つの例文を見てください。
①明日は営業先を13時に訪問する予定で、そのあと15時から社内会議があって出席者は20人なので、午前中に会議資料の印刷を終えておこう。
②明日は営業先を13時に訪問予定だ。15時からは社内会議があり、出席者は20人。午前中に資料の印刷を終えておこう。
それぞれ言っていることは同じですが、②の文章では一文の情報が一つだけなので、読みやすさがかなり向上しています。
長い文章にいくつもの事柄が散りばめられていると、どれが大事なのかを見失いがちです。一文一義の基本を守って、すっきりとした文章を心がけましょう。
【4】できるだけ「ひらがな」を使う
文章を書くとき、スマートフォンやパソコンを使うことが多い時代になりました。難しい漢字を知らなくても、変換ボタンを押せばパッと漢字になるのは便利ですよね。でも、あまり漢字を使いすぎると文章が読みづらくなるため、おすすめできません。
また、「しばらく(暫く)」「若しくは(もしくは)」などの接続詞を漢字表記している例も見かけますが、日常生活でそれほど馴染みのない字は、読む人が「この字なんだっけ?」と混乱する原因となります。文章を書くときは、ひらがな・漢字どちらの表記が読みやすいかを少し立ち止まって考えてみてくださいね。
【5】読み手が見慣れた言葉を使う
良い文章を書くには、読む人の知識レベルに合わせて使う言葉を変えることも重要です。
例えば、パソコンの性能を紹介する文章を書くとき、読者が主婦の場合とシステムエンジニアの場合とでは、使う用語は全く異なります。主婦の人に向けて「パソコンのCPUは…メモリは…」などと専門用語を使って説明しても、内容を理解してもらうのは難しいでしょう。
文章を読む人が普段どんな言葉に触れているか、どう説明すれば伝えたいことがわかってもらえるのか。そんな細かな部分まで想像を働かせてこそ、「読み手に優しい良い文章」だと言えます。
【6】表現のゆれに注意する
表現のゆれとは、文章の中で同じ単語が二通り以上の書き方で表されている状態のことです。例えば、「ウェブメディア」と「WEBメディア」が一つの文章の中で混在している場合は、表現のゆれに該当します。
同じ意味にもかかわらず、書いている場所によって表現方法がコロコロ変わると、読んでいる人は混乱してしまいます。カタカナ・英字・数字・漢数字の表記などは、文章を書くときにあらかじめルールを決めておくことをおすすめします。
【7】より具体的な数値表現を用いる
読む人に情報を伝えるとき、具体的な数値があると説得力が増し、人の目を引くことができます。例えば、以下の2つの文章では同じ商品を宣伝していますが、受ける印象はかなり違うと思います。
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同じ商品でも、数値を入れた方がその売れ行きや人気度合いが伝わってくると思います。あまり大げさにするのは良くありませんが、事実に基づいた数値を入れて魅力をアピールするのも一つのテクニックです。
【8】重複表現を使わない
文章の中に重複表現があると、文章のテンポが悪くなったり、読む人が「この部分、間違えているな」と気になったりして、書いてある内容自体に集中してもらえない可能性があります。意外と間違えやすい重複表現を以下に紹介するので、ぜひチェックしてください。
・「まずはじめに」 → 「はじめに」
・「違和感を感じる」 → 「違和感を覚える」
・「はっきりと断言する」 → 「はっきりと言う」
・「後で後悔する」 → 「後悔する」
日頃から、これらの表現を使わないように注意しましょう。
文章力を高めるためのトレーニング
巷には良い文章が書けるようになるノウハウ本があふれていますが、文章力を高めるためには継続的に書き続けることが大事です。やはり、実際に手を動かして上達する以外に近道はないのです。文章力アップのためのトレーニング方法は3つあります。
【1】たくさん本を読む
【2】書いた文章をアウトプットする
【3】自分の文章を添削してもらう機会を作る
以下でそれぞれ詳しく解説します。
【1】たくさん本を読む
良い文章を書けるようになりたいなら、たくさんの文字に触れることが大事です。とはいえあまり読書の習慣がない人は、急に難しい本を読んでも続かない可能性があります。まずは自分の興味がある分野の本や小説・エッセイなどを読んでみてください。
・なぜこの文章は読みやすいのかを考えてみる
・好きな作家がいる人は、その文章が好きな理由を分析してみる
・いいなと思った文章表現を書き留めてみる
日頃何となく読んでいた文章も、少し目線を変えて読んでみるだけで、良い文章のポイントがたくさん見えてきますよ。
【2】書いた文章をアウトプットする
文章力を高めるには、継続して文章を書くことが何よりのトレーニングです。今は無料で誰でもブログを開設して情報発信できる時代なので、ぜひブログで継続して文章をアウトプットすることをおすすめします。
ブログは、記事がどのくらい読まれたかを数値で分析できます。世の中に求められる情報に合わせた記事が書ければ、広告収入を得てブログが副業になる可能性もありますよ。
ブログは長い文章を書かなくてはいけないし、ちょっとハードルが高いという人はTwitterで短い文章を発信するのも良いですね。どちらにせよ、継続しなければ文章力はアップしないので、自分の続けやすい方法でチャレンジしてみましょう。
【3】自分の文章を添削してもらう機会を作る
子どもの頃は、先生に作文を見てもらって漢字の間違いや接続詞の使い方などを直してもらい、正しい文章の書き方を学んできましたよね。でも、大人になるとなかなか自分の書いた文章を他人に添削してもらう機会は少ないものです。家族や友人に見てもらうのはなんだか恥ずかしいし、ちゃんとプロの目線で良い文章になるようなアドバイスが欲しいという人も多いでしょう。
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おわりに
文章力を高めるために必要なことは、次の3ステップ。
【1】日頃から良い文章にたくさん触れて、インプットすること
【2】インプットした知識をもとに、自分のオリジナルの文章をアウトプットすること
【3】プロの指導を受けること(ノウハウを学ぶ、添削してもらうなど)
ストアカでは、これらのステップすべてが体験できる講座を用意しているため、良い文章を書きたい人にとてもおすすめです。今回ご紹介した文章力を高めるトレーニング方法や、良い文章を書くコツを参考にして、ぜひスキルアップを目指してくださいね。
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