【Canva×ストアカ】30代からのキャリアチェンジ、60代からの独立。「好き」と「得意」を仕事にした2人の主婦のリスキリングストーリー
最近、毎日のようにリスキリング※という言葉を耳にするようになりました。
「デジタル時代の到来」と「コロナ禍による働き方の変化」において、個人でスキルを磨き、新たな仕事にチャレンジする方も増えており、企業に勤める人だけではなく主婦層にもリスキリングは注目されています。
そこで今回は【女性のリスキリング応援企画】として、オンラインで使える無料のグラフィックデザインツールCanva(キャンバ)を活用して未経験から新たな分野で働くことに成功した2人の女性をお迎えして、リスキリングと仕事についてお話を聞いてきました。
Canva公式クリエイターとして活動するayanoさんは小学生のお子さんを育てながら、フリーランスのデザイナーとしてクリエイティブな仕事を請け負う元銀行員。
ストアカ講師としてCanvaをはじめWebに関するスキルを教えている南口美智子先生は、66歳でオンライン講師デビューを果たした主婦です。
現在の活動を始めるまでの経緯やスキルの習得方法、これからリスキリングを始めたい方へのアドバイスなど、お二人の経験を交えながらお話しいただいています。
Canvaに興味がある方や、ストアカで講座を学びたい方や教えたい方、また、何か新しい一歩を踏み出したいと思っている方にとっても参考になるインタビューです。ぜひご覧ください。
今回インタビューを受けてくれた方
結婚、出産、病気etc.。人生の岐路を経て、新たな道を知ったのは人との出会いから
ーストアカ編集部(以下、略):クリエイターやWeb講師として現在活動されていますが、以前はどのようなお仕事をされていたのですか?
Canva公式クリエイターayanoさん(以下、ayanoさん):私は新卒で銀行に就職しました。学生時代にしたアルバイトの関係で銀行に行くことが多くて、そこの窓口業務の方の対応がすごく素敵で。私もそんな社会人になりたいと憧れて銀行員になりました。でも、いざ入行してみると想像との乖離があって、私の性格的に業界が合わなくて……。
それでも「3年は勤め続けよう」と頑張っていたのですが、26歳のときに健康診断で婦人科系の病気が発見され、手術で左の卵巣を取らなければならないほど病状は進行していました。それで病気の治療をきっかけに銀行を退職しました。
そして、身体の回復とともに「本当にやりたいことを見つけたい」と、ひとまず派遣会社に登録をして一般企業で事務職を数社経験しました。
その派遣社員時代に、さまざまな出会いがありました。
イキイキと働くママやパパ、就業後はフリーランスとしても仕事をされていたり、趣味のコミュニティでイベント運営をされている方など、本業や派遣の仕事以外でも色々な顔を持ってらっしゃる方が多かったんです。その姿を見て「働き方はひとつじゃないんだ」「もっと自由に生きていいんだ」と、とても刺激を受けました。
子育てをしながら仕事もして、自分の好きな活動もされている女性も多くて「子どもがいる人生もいいな」と感じ始めたころに息子を授かることができ、派遣の仕事は退職しました。
ストアカWEB講師南口美智子先生(以下、みこりん先生):40年以上前になりますが、私も独身の頃は銀行でOLをしていました。その時代は、女性は結婚退職が当たり前だったので、私も結婚と同時に家庭に入りました。私の子育て時代は、SNSなどがなかった時代。何か仕事をしたいと思いながらもパートくらいしか選択肢がなかったんです。ちょうど主人が独立したので家業を手伝っていました。
そのなかでWEBとの出会いは40歳を過ぎてから、Windows95が日本に入ってきたタイミングです。
その頃はインターネットが出始めたばかりで、普及させるために無料のパソコン講座がたくさん開催されていたんです。もともと新しいものが好きな性格もあって、私も地域で開催されたホームページ講座に参加してみました。
そうしたら、さっぱり分からなくて(笑)!
今では簡単にホームページが作れるソフトがたくさんありますが、当時はHTML言語を書いて作る方法だけだったので、普通の主婦の私には「なんのこっちゃ?さっぱり分かりません」で講座は終了。そこでホームページ作成はもう諦めてしまいました。
その講座から1年後、講師の方から"一緒に講座を受講したときの仲間の1人がホームページを完成させたので見てあげてください”と、連絡が来たんです。
さらに「南口さんもホームページを完成させてみませんか?」ともメールに書いてありました。
私も仲間の完成作品から刺激をもらい、「もう一度やってみたい」と、先生にお返事をしたところ、なんとマンツーマンで教えてくださると言うではありませんか!
それから何度も先生が自宅にまで足を運んでくださったおかげで、私もやっとホームページを完成させることができました。
ーその講師の方はすごく熱意がおありですね。何か理由があるのですか?
みこりん先生:講師の先生は、「このインターネットという新しいツールをもっと活用してほしい」という想いから、地域の中で精力的にWEBやITの講座をされていました。
私は東大阪に住んでいて、今期放送しているNHKの朝ドラの舞台です。小さな町工場がたくさんある地域です。
ちなみに、偶然にも我が家もドラマの主人公の実家と同じで、ねじ工場を経営してまして、私が最初に作ったホームページも主人の会社のものなんですよ。
東大阪って本当に朝ドラに描かれているような『ものづくりの町』なんです。そんな東大阪全体のITレベルを底上げしたいという想いが先生にはあったようですね。
私のホームページを作成した後も先生の呼びかけで、生徒が再び集まりWEB制作の同好会を作り、定期的に学び合うようになりました。
そのうちに、同好会が発展して、NPO団体を発足するまでに至りました。そこでは、地域の方に向けてパソコンやWEBを教えるボランティア活動をしていて、現在も続けています。最近では高齢者の方にスマートフォンの使い方なども教えているんですよ。
数々の学びのなかで出会う、本当に好きなこと
ーayanoさんはCanva公式クリエイターになるまで、どのような道のりがあったのでしょうか?
ayanoさん:息子を出産してからは、手に職を付けて子連れで仕事ができるようになりたいと考えるようになりました。それで、ベビーマッサージの資格を取ったり、整体師の勉強も始めましたが、なかなか情熱を注ぐことができずにいて気持ち的に迷子のような状態になっていました。
そのなかで、友人からトウリーディング(以下、コーチング)という方法があると教えてもらいました。実際にコーチングを受けてみると、私の思考やキャリアを整理することにすごく役立ち「この方法をたくさんの人に伝えていきたい」と思うようになりました。
そして、私もコーチングを学び、コーチングを通して女性をサポートする活動を始めました。その活動で使う販促物を作るために知ったのがCanva(キャンバ)です。
Canvaを使って、イベントのお知らせや集客についてなど投稿画像を作っていましたが、コラージュ画像を作り始めたところ、絵が描けない私でも、想い描いた通りに自由に画像を作ることができたんです。それが、すごく楽しくて!気が付いたらCanvaが大好きになっていました。
ー最初はCanvaのいちユーザーさんだったのですね。デザイン系の職務経験もなかったとのことですが、どのようにお仕事につながっていったのですか?
ayanoさん:私がCanvaを使い始めたのが2019年で、日本ではCanvaを知らない方や使ったことがない方もたくさんいらっしゃいました。
Canvaのことが大好きになった私は、Canvaの魅力をたくさんの方に伝えたくて、個人のSNSで紹介したり、友人に使い方を教えてあげるようになりました。
コーチングのときと一緒ですが、「好きなものを伝えたい」という気持ちが私には大きいのかもしれませんね。
Canvaのことを発信し続けていると、ネットを介して「教えて欲しい」とサポートの依頼はもちろん、個人でビジネスしている方から画像の作成を依頼されるようにもなってきました。そんなこんなしているうちに、フリーランスのデザイナーとしてお仕事をするようになりました。
さらに2022年11月からCanva公式クリエイターとしての活動もさせて頂いています。でも実は、公式クリエイターの採用選考に1度落ちていて、2度目のチャレンジで念願が叶ったんです。
私はCanvaそのものが大好きなんです。
ノンデザイナーさんも「好きなものを作ることができる」「自由に表現ができる」、そんなCanvaが持つ世界観が大好きでファンなんです。
だから「いつかCanvaと一緒にお仕事がしたい」とずっと思っていたので、願いが叶って本当に嬉しいです。
60代で資格を取り出発した結果、辿り着いたのは長年培ったスキルをシェアする喜びだった
ーみこりん先生は66歳でストアカでオンライン講師としてデビューされたとお聞きしました。何かきっかけがあったのですか?
みこりん先生:ちょうど60歳のときに、『50代からはじめる知的生活術』という本をたまたま手にしたことがきっかけです。
その本を読んで感じたんです。
「人生80年だとすると、まだ20年ある」と。
そんなふうに思って、自分のこれまでの人生を振り返りました。
それで気がついたんです。
私はこれまでの人生で、必死にがんばってきたことが1つもなかった。
「女は結婚して、子育てをしていたらいい」、そんな言葉に疑問も持たずに生きてきたので、主人の仕事の手伝いも趣味でスポーツもしていましたが、何かをやり遂げた経験もない、だから自己肯定感もすごく低かったんです。
その頃、インターネットの中では、女性がいろんな働き方をしていることが目に入ってきました。
大きな刺激をもらった私は、第二の人生を輝けるものにしたいと考えました。
そして、「80歳まであと20年。20年という歳月は、産まれたばかりの赤ちゃんが成人するまでの期間。60歳でもう1度生まれ変わった気になって、生き直してみよう」と決意しました。
そこから懸命に勉強をはじめました。
誰かの役に立つ仕事がしたいと思い、シニア層の終活に関わる『整理収納アドバイザー』『エンディングノートプランナー』などの資格を62歳で取得しました。
まずは周りの友人や地域の方に向けて終活関連の講座を展開してから、自分でホームページを作って宣伝を始めました。
すると、WEBを公開してすぐに他市の外郭団体から講演の依頼が入り、それをきっかけに講師としてスタートを切ることができました。
「やっぱりインターネットの力ってすごいなぁ」と実感しましたね。
ーシニア向けの終活講座を対面でされていたのですね。現在はオンラインでWeb講師をされていますが、どのようなご経緯があったのですか?
みこりん先生:終活講座はクチコミや自分でも営業をしたりと、公的機関や地域コミュニティで順調にお客さんも増えていたのですが、2020年になりコロナの影響で対面講座の仕事がなくなってしまいました。
そこで友人が「オンラインで教えられるサービスがある」とストアカを教えてくれたんです。これまでは自分でホームページを作成して集客をしていたので、ポータルサイトやプラットフォームに掲載することは全くの未経験でした。
ですので、いちから勉強しようと思ってストアカ公式YouTubeを視聴することから始めました。ストアカは『スキルシェア』のプラットフォームであると藤本社長が話されていたことがとても印象的でしたね。
スキルシェアって、これまで自分が培ってきた経験のなかで得たスキルや得意なことを人に伝えることだと聞いて、「ストアカってすごくいいサービスだな」って思いました。
ストアカに登録した当初は、これまで同様にシニア向けの終活講座をオンライン化するつもりでしたが、ストアカの生徒層を考えると終活を検討する年代層も少数派ではないかとも同時に感じていました。
打ち出す内容を再考し、さらにスキルシェアでと考えていくと
「私の得意ってなんだろう?」と、あらためて棚卸してみました。
結果として、私が得意なことは20年以上関わってきたWEBやITだと再認識しました。
地域のボランティアでも中高年の方にパソコンやインターネットを教えて差し上げると、すごく喜ばれていました。その経験を活かして「50代から楽しむ!WEBサポート講師」として66歳から新しくオンラインで仕事をスタートしました。
学び方は人それぞれ。リスキリングの方法は1つではない
ー現在のスキルを手に入れるのに、どのような勉強をされましたか?
ayanoさん:これまでしてきた勉強方法ですが、必要なときに必要なスキルをスポットで学んでいます。
例えば、名刺作成の相談が来たら、そのスキルを学びにいくといった具合です。
Canva公式クリエイターへの2度目の応募のときも、提出するポートフォリオをもっとブラッシュアップするために学びに行きました。
私の場合は独学で学んでいましたが、学校に通えるのであれば、通うメリットはもちろんあると思います。
学校ではデザインなど制作技術に関わることだけではなく、仕事の進め方や顧客とのコミュニケーションスキルも学べるでしょうし、就職までのサポートも期待できますよね。
では、なぜ私がデザイン系の学校に行かなくてもデザイナーとして仕事が出来ているのかと考えると、これまでの社会経験があるからかもしれません。
日頃から、クライアントワークのお客様との打ち合わせはコーチングのセッションと通ずる部分も多いと感じていますし、企業に勤めたことも活かされていると思います。
【ストアカでもさまざまなデザイン講座を用意】
ーみこりん先生も画像作りの講座をされていますが、先生はどこで学ばれたのですか?
みこりん先生:同好会でホームページ作りを学び続けるうちに、画像作成にも興味が湧いてきたのが勉強をはじめたきっかけです。あと、主人の会社の案内パンフレットやご近所のお店のチラシとかも作れるようになりたくて。
そこで、WEB同好会のなかで画像作成に興味がある方を募って分科会を開き、仲間同士で得意なことを教え合うサークルを作りました。メンバーの年齢層はすごく広くて70代の方もいらっしゃれば職歴もさまざまで、ソフトの操作に詳しい人もいれば、写真加工が得意な人もいます。みんなが得意なことを持ち寄り、教え合うことで勉強を続けています。
私もストアカではCanvaを使った画像や動画作成を教えているのですが、以前はillustratorや無料ソフトのGIMPを使っていた経験もあります。
でも、Canvaが登場してからは出来上がりのクオリティの高さと操作の明快さに感動してしまって!
私は画像作りが大好きで、初心者でも簡単なCANVAを教えていきたいと思い講座にしています。
さらに、CANVAの進化は素晴らしくて、学びは欠かせません。私自身もCANVAに特化したデザイン講座を受講したりして常にインプットしています。
ただ、オンライン講師としては未経験からのスタートだったので、『ストアカ講師のための講座』を生徒として受講して講座の作り方や進め方を学びました。知らないことは詳しい人に教えてもらうのが一番の近道ですね。
【コミュニティで学ぶという方法もある】
好きを仕事に、仕事が生きがいに。働く日々が自信を与えてくれる
ー日々のやりがいや喜びを教えていただけますか?
みこりん先生:そうですね、やっぱり生徒さんの「できました!」という声が一番のモチベーションになっています。
その言葉を聞くと、講座が終わったあと「やった!」と、パソコンの前でガッツポーズをしています(笑)
私の生徒さんは50代以上の方がメインなのですが、初めてお話したときに「私なんて何にもできなくて……」と言われる方もなかにはいらっしゃるんです。
オンライン講師を始める前の私もそうでしたから、その気持ちがよくわかります。
でも、ストアカを始めたことで、自分が培ったスキルを使って、人の役に立てるようになりました。「ありがとう」と言っていただいてお金をいただける『スキルシェア』という働き方が気に入っていて人にも勧めています。
後半の長い人生、お金は必要ですし、お金をいただくことで責任も出てきます。それがボランティアとはまた異なるやりがいや新たな出会いを生んでいるのだと感じています。
結果として、私はすごく自分に自信が持てるようになりました。
3月の誕生日が来たら69歳になりますが、毎日新しいことに触れて、毎日成長していると感じています。
それはきっと成長できる環境に自分自身で行って、そこに身をおいているからでしょうね。
今後の展望として、現在も活動を続けている東大阪のNPО団体で『ミニ起業のはじめかた』を開催して、地域で仕事を始めたいと考えている方のサポートをしていきたいと考えています。私のストアカ講師としての経験を地域に還元できれば嬉しいです。
ー最後に、これからリスキリングをはじめたい方にアドバイスをお願いします。
ayanoさん:あなたが少しでも気になることが今あるのなら、まずはやってみられたらいかがでしょうか?
実際にやってみて、初めてご自分に合うのかどうかが分かるのではないかと私は思います。
これからリスキリングする内容を検討される方には、副業にピッタリとか、稼げるかどうかも大切ではありますが「好きかどうか」も、大切にされることをお勧めします。
なぜなら、好きでなければ努力も出来ませんし、出来たとしてもしんどいですよね。結果として、続かないし続けられないと思います。
私もベビーマッサージや整体の勉強をしていた頃もありましたが続きませんでした。
条件ではマッチしていても、私にとって情熱を注ぐほどは好きではなかったのでしょうね。
Canvaの仕事がデザイナーとして職歴がないなかでも実現できた一番の原動力は、やっぱりCanvaが好きだからなんだと思います。ずっと触っていたいし、デザインのアイデアを考えているとワクワクが止まりません。
私は基本的に自宅で仕事をしているので、その姿を見て夫も息子も応援してくれています。私がどれだけCanvaが好きなのかも知っていて、とにかく楽しそうだから応援したいそうですよ。やっぱりママが機嫌がいいと家庭は平和ですしね(笑)
みなさんにとっても、本当に好きなことが見つかることを心から応援しています!
ーストアカ編集部より
ayanoさん、みこりん先生、熱意のある素敵なお話をお聞かせ下さり、ありがとうございました。
今回のインタビューをきっかけに「もっとCanvaの魅力をたくさんの方に伝えたい」と、ayanoさんもストアカ講師としてデビューをされました!
ストアカには、今回登場いただいたみこりん先生をはじめ、さまざまなスキルを教える先生がたくさんいらっしゃいます。
ぜひ、あなたにぴったりの講座を見つけてリスキリングに挑戦してみてはいかがでしょうか。
【ストアカは皆さんのリスキリングを応援します!】
【みこりん先生の講座はこちら】
【ayano先生の講座はこちら】