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病の先に見つけた生きがい。60代から始めたオンラインで教える仕事【中東栄子先生】

会社員として生命保険会社や視覚障がい者福祉事業所など事務職を中心に、40年間勤務されていた中東栄子先生。しかし、2020年秋に目の持病が悪化し「現在の仕事を続けることは困難」と医師から診断を受け離職。療養後、在宅で出来る仕事を探していた時に出会ったのがスキルシェアサービス『ストアカ』でした。「zoomって何?」というIT知識ゼロのところから学び始め、62歳にてオンライン講師として新たなスタートを切った中東先生。
 生徒さんや講師の仲間たちからは親しみを込めて『栄子先生』と呼ばれています。そのお人柄の魅力にも触れながら、教えるきっかけや、講座にもされているハワイについてなど、さまざまなお話を伺いました。
(取材日:2022年3月15日)


*今回インタビューにこたえてくれた先生
中東栄子(なかひがし えいこ)先生 

1958年生まれ、札幌市在住。
会社員として生命保険会社や視覚障がい者福祉事業所などで40年間勤務したのち、62歳でオンライン講師としてデビュー。
50代の頃、国土交通省のモニターで旅したハワイの文化や歴史などを中心に、会社員時代に培ったスキルや資格を生かした講座など多岐にわたり教えている。
ストアカページ https://www.street-academy.com/steachers/495095


ストアカで学び、未経験者からオンライン講師へ

ーストアカで教える活動をはじめたきっかけを教えてください 
 私は会社員として40年間、生命保険会社や視覚障がい者福祉事業所など、さまざまな職場で事務系の職種で働いていました。実は、生まれつき目が弱く持病があり、子どもの頃から不安を抱えて生きて来ました。ですが、61歳のときに悪化してしまい、大学病院で「現在の仕事を続けることは困難」と診断を受け離職することに。
 何度かの手術や治療を受け、見えにくさは多少残るなかでも日常生活はできるようになりました。回復とともに、「また働きたい」という気持ちが湧いてきたので、自宅でできる仕事をインターネットで検索したところ、「自宅で起業できる。オンライン講師になるための講座」がたまたまヒット!
その時に初めてストアカを知ったのです。

 ストアカのサイトを見るとさまざまな講座があり「もしかしたら私もオンラインで教えることができるのでは?」と感じました。でも、パソコンは会社員時代に利用していましたが、使えるのは会社や業界の専用ソフトのみ。zoomもパワーポイントも全くの未経験者でした。
まずはzoomの使い方から習おうと、生徒としてストアカを受講しました。
ストアカで講座を受講するにつれ「私も講師になり、ハワイのアロハスピリッツを伝えたい!」という想いがつのり、その想いが活力になり講師デビューまで頑張ることが出来ました。


ーこれまでに教えたご経験はあったのでしょうか?
  講師として教えたのはストアカが初めてです。
私が住んでいる札幌市には市が主催する『ご近所先生』という生涯学習の取り組みがあり、そこでハワイの魅力をお伝えした経験がほんの少しあったくらいです。
ですので、zoomの接続の仕方から、パワーポイントなどオンラインで教えるために必要なスキルは全てストアカの講座で学びました。
なかでも『オンライン講師大学』を開催されている大塚真理先生には、本当にお世話になりました。今、こうしてストアカで教えることができているのは大塚先生のおかげだと心より感謝しております。


ーなぜハワイを講座にしようと考えられたのですか?
 ハワイに旅したのは、50代半ばの時に国土交通省のモニターに当選したのがきっかけでした。それは、ショッピングやグルメといった一般的なハワイ観光ではなく、国土交通省から派遣されて行くわけですから学びの旅なんです。現地の方に案内していただき、ハワイの深く長い歴史や文化、『アロハスピリッツ=分かち合う』というハワイならではの考え方をたくさん学びました。
そして、現地で出会った方々から何度も同じ言葉を聞いたんです。
「好奇心を持つと、可能性に気付くんだよ」と。

 私はハワイでアロハスピリッツに触れるまでは、とてもネガティブな思考の持ち主でした。
病気のことがいつも頭から離れず、その不安をかき消すかのように仕事に没頭したり、仕事以外の時間は資格取得のための勉強をしたりと、わざわざ忙しい状況を作っていました。まるで生き急いでいるかのようでした。
でも、ハワイでの学びで「今を楽しむことを忘れて生きていたんだ」と気付かされたのです。

 ハワイから日本への帰りの飛行機では「またハワイに帰りたい!」と号泣していました。『行きたい』ではなく、『帰りたい』と。
それくらい、物事の受け止め方や感じ方、そして私自身の生き方に大きな影響をハワイは与えてくれました。
 そして、ハワイの魅力にはまった私は、ハワイ州観光局公式の上級検定資格を取得し、朗読、神社、世界遺産、音楽など、次々とチャレンジを続け学び続けました。好奇心を持って学び、自分自身の可能性を信じてみると、ワクワクする毎日が待っていたんです。

 マイナス思考だった私が、プラス思考へ転じるきっかけとなったハワイでの学びを、今度は私から皆さんへシェアしたいと考え、講師になりたいと思ったんです。

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国土交通省のモニターとして派遣されて行ったハワイにて。ハワイのと出会いが中東先生にとって大きな転機となったとか。


これまでの人生で培ったスキル全てをシェアしたい


ーストアカで第1回目の講座を開催した時のお気持ちは覚えていらっしゃいますか?
 もうドキドキでした!zoomがちゃんとつながるか、もう怖くて怖くて〜!
でも、いざ講座を始めて見たらパソコン画面の向こうには知っているお顔がチラホラと。私は講師になる前に生徒としてたくさんの講座に参加していたので、生徒同士としての繋がりもできて、講師になるための準備を始めたら講師の仲間も出来ました。ストアカでオンラインを通じて学び合う仲間が出来たんですね。ストアカで出会った方たちが私の講師デビューを知り、受講しに来て下さったんです。本当に嬉しかったです。


ー 先生講座にはどのような生徒さんが参加されていますか?
 地元である北海道の生徒さんは残念ながら少ないのですが、日本全国はもちろん、シンガポールやアメリカ、タイ、ニュージーランドなどにお住まいの日本人の方も参加されています。
それまでの私の人生は、札幌の住んでいる区内で終わると思っていたので驚きです。
 ストアカに出会ったことで先生同士の繋がりや生徒さんとの出会いが全国・世界へと広がっていきました。これは想像していなかったことです。ストアカのおかげで本当に毎日が楽しいです。


ー 先生の講座はハワイの文化から朗読や話し方、弱視の子ども向けまで、教える幅がかなり広いと感じます
 そうですね、私の講座はすべてハワイの「アロハスピリッツ=分かち合う」気持ちをベースにしています。ですので、シェアすることは、ハワイの文化や歴史に触れる直接的なことだけではありません。これまでの40年間の会社員経験や、取得した資格など、私の今までの人生で学び培ったスキルを講座にしてシェアしていきたいと考えています。
ですので、講座の種類もとても多くなってしまうんです。
「あれも伝えたい!これも楽しそう!」と考えている最中から、とってもワクワクしてくるんですよ。

名称未設定のデザイン
旅行に自己啓発、朗読や声優など、さまざまなジャンルで栄子先生は講座を開催している。


トライする気持ちに年齢は関係ない。楽しく学び合うことがストアカの魅力


ーオンラインで講師を始められた時の周囲の反応はいかがでしたか?
 友人からの第一反応は「なんで?」がほとんどでしたね(笑)
「目が悪いのに何で働くの?」「60歳を超えて何でまた働くの?」と言われました。「zoom?オンライン?危ない商売じゃないの?」と心配してくれる方もいました。
オンラインは実際に使ってみるとこんなに便利なのに、まだまだ浸透してないのかもしれません。
 
 ですが、夫はずっと応援してくれています。
講座の時はzoomのバーチャル背景をハワイにするのですが、綺麗に映るようにとグリーンバックをサッと設置してくれます。講座をする様子も自宅ですので聞こえているのでしょうね。「楽しそうだね」といつも笑顔で言ってくれています。

 そして、あまりにも楽しそうにストアカ活動をしている私の姿を見て、なんと春から夫も「フィルムカメラの講師」としてストアカデビューすることになりました。
実は夫も片目を病気で失明し、大手術の結果、なんとか見えるようになりましたが歪んで見えています。
それでも、現役時代に仕事にしてきたカメラに再び心を向けさせて頂けたのは、ひとえに『ストアカ』という場所に魅力を感じたからです。

それだけ「楽しく学び合う」という姿は、とても影響力のあることなんでしょうね。


ー栄子先生にとって「働く」とは?
 働くことには責任が伴います。
ストアカもボランティアではありません。生徒さんはお金を払い、大切な時間を費やして受講してくださいます。賃金が発生する以上、講師は責任感を持って学びを提供し、生徒さんがより良い状況になるために繋がっていくべきだと思っています。
働くって辛いこともありますが楽しいことでもあります。
そして私は働くことが好きなんです。もしかしたら人が好きなのかもしれませんね。
働くことで人と人との繋がりが生まれてゆき、そして自分自身も学ぶことができます。とても素晴らしいことですし、私の生きがいです。


ー最後に、これから教える活動を始めたい方へメッセージをお願いします
 89歳で白血病により亡くなった私の母の話になるのですが、母は療養中に『塗り絵』を始めました。生まれて初めて塗り絵と向き合ったんです。そうしたら、メキメキと腕を上げていき、客観的に見てもすごく上手で!
それを見ていて「何かを始めるのに年齢は関係ないんだ」と強く感じました。母は死の間際に、私たち娘にそれを教えてくれたのだと思います。

 ですので、皆さんも60代になっても70代になっても、自分に出来ることはトライして頂きたいと思っています。トライする気持ちに年齢は関係ないです。
私も、これから『カスタマイズレッスン』というマンツーマン形式の講座も設定し、より深い学び合いを続けていきたいと考えています。
いくつになっても現役です。
皆さん、一緒にがんばりましょうね!

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ハワイへの旅には栄子先生のお母様(写真右)もご一緒に。「何かを始めるのに年齢は関係ない」ということをお母様から教えてもらった、と栄子先生。


===あとがき===
栄子先生、活力が出るお話をたくさん聞かせて頂き、本当にありがとうございました!「ストアカが大好きです」とおっしゃって下さった、優しく元気いっぱいの笑顔がとても印象的でした。今回のインタビューがこれから始めたい方、また栄子先生と同じように違う環境を見つけなくてはならなくなった方のヒントに繋がれば嬉しく思います。(取材・文/庭野ゆかり)


中東栄子先生の教室ページはこちら>


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