忘れられない一枚に!風景写真を撮影するときのコツ
少しお金と時間に余裕もできた、新しい趣味がほしい!といった時に最近よく選ばれているのが「カメラ・写真」です。
日常の一瞬一瞬がシャッターチャンスであると考えると、カメラは実はあまり時間を使わない趣味と言えます。
日々の生活のお供にカメラがいてくれれば、気が向いた時に撮るだけでも良いわけですから。
そんなときにやはり撮りたくなるのが「風景写真」です。
旅行に行った際はもちろんですが、見慣れている近所の道でも美しい夕焼けの日もあれば、素晴らしく晴れた早朝もあり、また雨に濡れる景色もまた美しいことに気付かせてくれるのがカメラです。
ところが、風景というのはどうしても退屈な写真に見えやすい写真でもあります。
今回はその風景写真を「忘れられない1枚に」するためのコツを解説していきますので是非最後までご覧いただければ幸いです。
風景写真を印象的な一枚にするコツ7選
では印象的な風景写真を撮るためにはどうすればよいのでしょうか。
一眼カメラなどで風景写真を撮る時の最大のライバルは実は「スマホ」だったりします。
スマホのカメラはフルサイズ換算28mmという画角が標準的で、風景を撮るのに適しています。
ソフトウェアの補正も優秀な上に、スマホのディスプレイはデジカメのディスプレイよりはるかに高性能なので、撮った瞬間を比べると「スマホに負けた!」という悔しさを味わうこともあるでしょう。
もちろんキチンととればカメラで撮った写真がスマホに負けることはありません。ここからご紹介するテクニックを覚えて、「スマホを圧倒的に凌駕する風景写真」を撮ってしまいましょう。
1.三分割法を利用して撮影する
スマホに負けない!と言いつつ恐縮ですが、1つ目はスマホでも同様に実現可能なテクニックです。
とはいえ、プロが撮る写真がスマホでも美しい写真になるのは、こういったところを抑えているからでもあります。
そのテクニックとは、「3分割構図」。写真は3分割の線上に目立った被写体を置くという定石です。
例えば海を撮るとしましょう。
初心者は自然と、水平線を画面のちょうど上下真ん中に持ってきてしまいがちです。が、これでは何を強調したいのかわからず、印象の薄い写真になってしまいます。
これを3分割した線上に持ってきてあげるわけです。
実はそのための機能はスマホにも(もちろんカメラにも)搭載されており、「グリッド」などと呼ばれています。
この機能をオンにすると画面を3分割する線が表示されますので、その線上に水平線などの「境界線」を持ってきてあげることでグッと印象的な一枚になります。
単純な海の写真でも、水平線を寄せてあげることで一段上の写真になりますので、ぜひお試しください。
この写真の場合、海とそこにつながる道を強調するために、水平線がちょうど上から3分の1のところに置かれていることがわかります。
もちろんプロの作品は「あえて」真ん中に置く場合もありますが、まずは3分の1を意識することで良い練習となるでしょう。
2.ホワイトバランスの設定を変更する
こちらはスマホ付属のカメラアプリでは難しい部分です。「ホワイトバランス」を自分なりに設定します。
ホワイトバランスとはそもそも「白を白く写す」ために調整する機能です。真っ白な布でも照明が黄色ければ黄色みを帯びるので、そこをカメラ側で調整してあげる機能です。
一眼カメラならホワイトバランスをケルビンという数値や、「太陽光」や「日陰」といったモードで設定することが出来ますが、オススメなのは「RAWモード」で撮って、あとでいろいろ変えてみるという方法です。
RAWとは「生」という意味。通常デジカメで撮影されている写真はカメラ内で「現像」されてjpegとして記録されますが、RAWモードはその手前の、まさに「生」の状態で記録されるモードです。
そのままでは端末によっては表示できないというデメリットもありますが、そのかわりに「撮影したあとに撮影設定を変更できる」という強力なメリットがあります。
すべてが後で変更できるわけではありませんが、ホワイトバランスに関してはかなり自然な調整が可能ですので、ひとまずRAWモード&オートホワイトバランスで撮影して、撮影後にゆっくりカメラ付属の写真現像ソフトでいろいろ極端に動かして見ると良いでしょう。
ホワイトバランスは、うまく使うと肉眼では絶対に見えない幻想的な写真に仕上げることもできる、魅力的な機能です。
3.仕上がり設定を変更する
こちらはホワイトバランスよりは少し簡単に設定できる機能、「仕上がり設定」です。メーカーに呼び名は違いますが「ピクチャースタイル」というような名前がついていることが多いようです。
カメラの設定項目は多岐に渡りますので、その色合いや描写を場面毎に適した設定にしてくれる機能がデジカメには搭載されています。
様々なモードがありますが、風景写真の場合は先ず「風景」モードを試してみると良いでしょう。
こちらも先述の「RAWモード」で撮影することで撮影後に変更できる部分が多いので、ホワイトバランスと同様RAWモードで撮影して、あとでいろいろ変更してみながら覚えていくのも良いでしょう。
4.撮影モード(F値)をコントロールする
こちらもスマホの標準アプリでは実現出来ないテクニックになります。
F値とは「絞り値」のことですが、平たくいえば「どれだけボケるか」を決定する設定です。
スマホのカメラで風景を撮ると全てにピントが合った「パンフォーカス」と呼ばれる状態の写真となりますが、一眼カメラで取る場合は特定の場所だけにピントを合わせた写真にすることが可能です。
「手前に見えている小屋だけにピントを合わせて背景をボカしたい」なら、F値を小さくすれば良いですし、「手前の小屋も奥の山々にもピントを合わせたい」ならF値を大きく設定します。
こういった「撮りたい写真を撮れる」のが一眼カメラの最大の特徴ともいえます。
5.三脚を利用する
さてここまでホワイトバランスや、F値など設定についてのお話をしてきましたが、カメラには最大の弱点があります。
「暗いところが苦手」
という光学機器としての宿命のような弱点です。
ホワイトバランスはともかくF値は大きくすればするほど暗い写真になりますし、そもそも暗い場所での風景撮影はフラッシュも届きませんので、「ISO値」を高く設定する必要があります。
ところがISOを高くすれば画質は悪くなりますし、F値は撮りたい写真のためには変更が利きません。
そこでどうするかと言うと「シャッタースピード」を長く設定するわけですが、すると今度は「手ブレ」の問題が出てきます。
袋小路のような問題ですが、これは「三脚」を使うことで解消することが出来ます。
この場合は「絞り優先(A)モード」に設定し、撮りたい写真のためのF値を設定し、ISOはできるだけ低い数値に設定し、長くなったシャッタースピードは三脚に固定することでカバーしてあげます。
これでとても美しい風景に写真になること請け合いです。
6.角度やアングルを変えて撮影する
こちらはスマホでも実現可能なテクニック、「目線を変える」です。
観光地に行くとわかりますが、だいたいみんな同じ場所で、同じ位置からカメラなりスマホを構えて写真を撮っています。
これでは出来上がりの写真が似たり寄ったりになってしまうのは当たり前です。
解決方法は簡単。極端に低いアングルか極端に高いアングルで狙ってみましょう。
地面に近い位置からカメラを構えるのも良いですし、条件によっては三脚に載せたカメラを持ち上げてセルフタイマーで撮っても面白いかもしれません。
「人とは違う目線で撮る」のが差別化への一つのテクニックです。
7.マジックアワーを狙って撮影する
写真とは光を記録するものです。そして最も美しい光は太陽光。風景写真の場合は特に太陽光に依存する割合が大きいでしょう。
その太陽がもっともドラマチックに変化する時間、それをマジックアワーと呼びます。
見慣れた通勤路を感動するほど美しく仕上げてくれる夕焼けを、誰もが一度は見たことがあるでしょう。そしてそれは一瞬で失われたはずです。
この劇的な時間帯、具体的には日の出、日没前後のマジックアワーを狙うのも印象的な風景写真を撮る一つのテクニックです。
この写真は筆者の自宅マンションから見えた夕日が美しかったので、急いで撮った写真です。一番美しい時間はとても短いので、すぐカメラを取り出せるようにしておくのもコツなのかもしれません。
風景写真の撮影のコツをつかむなら!ストアカのおすすめ講座
ここまで風景写真を印象的にするコツについてご紹介してきましたが、実際には読むだけではなかなか覚えられない物。実際に写真を取りながら教えてもらえればベストです。
ここではストアカで学べる風景写真の講座をご紹介します。
▼【街歩き入門】神楽坂の魅力を120分に凝縮した大江戸ぶらり旅!
東京、神楽坂育ちの雑誌記者の講師とフォトスポットを回る講座です。まさに雑誌のような写真を撮るには最高の講座と言えそうです。
▼サンセット倶楽部=夕景が大好きな方のために
マジックアワーの一つである「夕景」に特化した写真です。とても魅力的な夕景ですが、その美しさは刻一刻と変化していきますので、事前準備やその場での対応も必要になります。その点を講師に教わりながら身につければ他の撮影にも大いに役立つことでしょう。
▼♬きいろろ写真部★川崎工場☆夕景《鶴見線》秘境な途中駅さんぽ♬
フォトジェニックな駅や工場を回って撮影する講座。夕景に加えて夜景の撮影も含まれますので、三脚やISO、シャッタースピードの使い方はバッチリ理解できるでしょう。夕景と同じく幅広く使えるテクニックが身につく講座と言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
大事な旅の思い出ともなる風景写真は誰しも力を入れたい被写体です。
まずはガイドブックのように撮れるように、そしてそれが出来たら自分なりの独創的な風景写真を目指すのも良いかもしれません。
まずは近所でも十分練習になりますし、素敵な写真も撮れるはず。是非今日からカメラを持ってお出かけしてみてはいかがでしょうか。