ワークショップの企画、どうやる? 行き詰まった時の対処法も紹介
ワークショップは、グループワークを通じて参加者同士の交流を深めたり、主催者が伝えたいことをより深く理解してもらうことができるイベントです。
そのため、社員研修や商品・サービスのPRなどさまざまな目的で実施されています。ワークショップの企画から準備、講演者の手配までをサービスとして提供する会社もあるほど、広く知られたイベント手法です。
一方、世の中にワークショップが溢れかえっているからこそ、参加者にとって魅力的で意義のあるものとするために「企画」と「準備」がとても重要になってきます。
ありきたりなワークショップでは集客に苦戦するでしょう。また、しっかりと準備をしておかないと参加者の満足度が落ちてしまいます。
この記事では、質の高いワークショップの企画の作り方をご紹介します。フレームワークを用いるので、企画者のセンスや才能といったものに左右されず、誰でも簡単に良い企画を考えるトレーニングになります。ぜひ参考にしてくださいね。
企画を始める前に!ワークショップの対象を明確にしよう
ワークショップの企画を考える際にありがちなミスとして、いきなり「どんな企画が面白いかな?」と企画の中身を考え始めてしまうことが挙げられます。
企画=面白いアイデアと思いがちですが、そもそも誰に向けたワークショップなのかを明確にしないことには良い企画のアイデアは出てきません。
ワークショップの対象は、以下の2つに大別されます。
会社の従業員向けのもの
個人の生活者向けのもの
それぞれの対象について簡単に説明していきます。
対象が会社の従業員
会社・団体が、その従業員に対してワークショップを開催するケースがあります。
この場合の目的は、少人数での体験型イベントを通じた交流促進や、仕事で必要なビジネススキルの獲得などになります。
従業員向けのワークショップを企画する際には、いかに上手に「課題」を設定できるかがポイントになります。
基本的に、専門的な知識を持っていれば正解に辿り着けるような課題ではなく、グループのメンバーで意見やアイデアを出し合って思考力を結集して1つのアイデアや仮説を導き出すための課題設定が求められます。
課題を考えるときには、
個々の知識やスキルに見合った、または、少しハードルが高いくらいの難易度か
各メンバーの個性を引き出せるか
導き出された結論やアイデアに多様性が出そうか(その後の議論のタネになりそうか)
といった観点を持つと良いでしょう。
対象が個人の生活者
企業が自社商品やサービスの認知向上や、体験会を通じたブランドのファン育成などを目的にワークショップを開催することがあります。
身近な例でいうと、デパートの催事スペースで実施しているアクセサリー作りのワークショップや、スポーツウェアのメーカーが実施するヨガレッスンの体験会のようなものです。
一般生活者向けのワークショップを企画する際には、ターゲット目線になって参加したくなるか?という点が最も重要です。当たり前のことですが、ここが意外と落とし穴になりがち。
例えば、「ヨガレッスンの体験会」のようなワークショップは数多く実施されており、生活者にとっては新鮮味がありません。「タダなら…」と参加する人はいるかもしれませんが、本来そういった人だけに参加してもらっても、ワークショップの本来の目的は達成できないでしょう。
上記のようなケースでは、企画の切り口を変えたり、参加者特典をつけるなどして、他のワークショップとの差別化をする必要があります。
ワークショップの企画を考える「5W2H」のフレーム
ワークショップの対象によって、そもそも企画の目的や考え方に至るまで異なることをお伝えしてきました。
その前提を理解した上で、ここからはワークショップの企画の作り方・考え方を「5W2H」のフレームワークを用いてご説明します。
「5W2H」とは企画や新規事業などのプロジェクトを論理的に構築するための考え方(フレームワーク)です。
「5W」は、「Why(なぜ)」「What(何を)」「Who(誰が)」「When(いつ、いつまでに)」「Where(どこで)」という英単語の頭文字を示しています。
「2H」は、「How(どうやって)」「How Much(いくらで)」の頭文字です。
このフレームワークを用いるメリットは、主に2つあります。
企画のコンセプトが明確になり、一貫性のあるアイデア出しが可能になる
メンバーが、方向性を見失わずにプロジェクトを進められる
それでは、「5W2H」を1つずつ具体的に解説していきます。
目的(Why)を考える
まず、ワークショップの目的を考えます。
「誰のために実施するのか」と同じくらい「何のために実施するのか」を明確にすることは重要です。
ここで企画者が陥りやすいのが、ワークショップ自体の目的と、ワークショップを含めたプロモーション全体の目的を混同してしまうことです。
例えば、ワークショップを含めた一連のプロモーション施策の目的が「新商品の売上アップ」だとします。しかし、通常ワークショップを1回実施しただけでは、参加者はすぐに商品を購入しません。
ワークショップ自体の目的は、新商品を知ってもらうことや、商品を実際に体験して興味を持ってもらう、サンプルを持ち帰ってもらい試してもらう、などになります。
もちろん、ワークショップ自体の目的を売上アップに設定するケースもありますが、その場合、参加者からすると執拗にセールスされるという経験になるので、逆にブランドイメージが下がってしまうリスクも覚悟すべきでしょう。
内容(What)を考える
ワークショップの対象と目的を考えたら、次に企画内容を考えます。冒頭でも説明しましたが、この段階に来てようやく企画の中身を考え始めるのです。
対象と目的が明確で具体的であるほど、企画アイデアを出しやすくなります。というのも、それらの前提条件が良い意味で“制約”となって企画の幅が正しい方向性のみに絞り込まれるからです。
反対に、この段階で企画を考える上で制約がない、何でもあり、という状態であれば、そもそも対象と目的の設定に問題がある可能性が高いです。まだアイデアが出せる状態ではないと判断したら、迷わず対象や目的を再考するステップに戻りましょう。
企画は、以下のことを参考にすると、より考えやすくなります。
同業他社の参考事例
自社の過去のワークショップ実績
業種関係なく、メディアなどで取り上げられた事例
実施方法(How)を考える
どのような形式でワークショップを実施するか決めます。
以前はワークショップといえば対面形式で会場を借りて実施するのが当たり前でしたが、ポストコロナ以降はオンラインで実施するケースもかなり増えました。
ここでも、ワークショップの目的や内容を踏まえて形式を決めます。
対面型ワークショップの魅力は、なんといっても臨場感です。みんなが同じ場所に集まって共通の体験をすることはワクワクしますよね。
また、講師の手元をよく見ながら作業をするハンドメイドやアクセサリー作りのワークショップはオンラインでもできますが、対面の方がスムーズに進むかもしれません。
逆に動画編集やwebデザインのワークショップは、Zoomなどのオンラインセミナー配信ツールで講師の画面を共有しながらでも十分に満足度の高いイベントになります。
このようにワークショップの内容によっても対面型が良いかオンラインが良いかは異なってきます。
場所(Where)を考える
どこでワークショップを開催するか決めます。
前述した実施方法(How)とセットでそのまま考えてしまいましょう。
対面型の場合、
開催エリア(どこで実施するか)
会場の規模(どのくらいの規模か)
会場の雰囲気(企画コンセプトに合うか)
必要な設備や資材の搬入経路の確認
といった順に会場を絞り込んでいきます。
オンライン開催の場合、どのツールを使うかを慎重に検討しましょう。オンラインセミナー配信ツールには代表的なZoomのほか、Microsoft Teams、WebEx Meetings,、Skype for Businessといったものもあります。
それぞれオンラインでのワークショップやセミナーを実施するための機能は備わっていますが、細かい仕様や料金プランなどは異なるので、比較検討して決めます。
👇オンラインセミナー配信ツールの比較の参考サイト👇
開催日時(When)を考える
ワークショップの開催日時を決めます。
日時は会場を押さえる時点である程度決めておきます。
日時を決める際にはワークショップの対象(ターゲット)にとって参加しやすい曜日や時間帯を考慮します。
例えば子ども連れのファミリー層なら週末の日中、ビジネスパーソンなら平日の早朝(朝活)や夕方以降(仕事帰りや帰宅後)が良いでしょう。主婦であればむしろ平日の日中の方が参加しやすいかもしれません。
このように、対象となる生活者のライフスタイルに合った日時にすることで、ワークショップへの参加率は格段に違ってきます。
予算(How much)を考える
予め予算が決まっている場合と、企画を決めてからそれに必要な予算を確保する場合があります。
すでに決まった予算があれば、その中で会場費や講演者への報酬、ワークショップで使う材料費などの諸経費をやりくりします。目的や企画内容によって、どの部分に予算を多く割くべきかを検討しながらワークショップの準備を進めましょう。
企画を決めてから必要な予算取りをする場でも、無尽蔵にお金をかければ良いというものではありません。ワークショップで期待できる数値的目標から、1回あたりどのくらいの予算をかけられるのかを逆算するなどして適正な予算額を策定します。
例えば、1回のワークショップに100名の参加者を集めて、自社の新商品をサンプリングして体験してもらうとします。その際、1人の新規見込み客の獲得にxxx円までかけられる、といった参考値を元にします。
上述したやり方以外にも適性予算額の策定方法はありますので、自社の顧客獲得単価などを踏まえて予算を決めましょう。
講演者(Who)を考える
ワークショップの講演者を決めます。
講演者はイベントテーマに沿った説明やデモンストレーションのほか、グループワークのファシリテーションや困っている参加者のサポートなど、ワークショップ全体の進行役を務めることが多いです。
イベントの規模や内容によっては、講演者以外に司会者やファシリテーターを立てることもあります。いずれにせよ、講演者がワークショップの成否を分ける重要な存在であることは変わりません。
講演者には以下のようなパターンがあります:
著名人やタレント
その分野の権威、有識者
キャラクター
テレビに出るようなタレントや広く親しまれているキャラクターを起用すると、ワークショップの注目度や参加者は多く集まりますが、多額の費用がかかります。
一般的には知られていなくてもその道のプロや専門家の場合、爆発的な集客は期待しづらいかもしれませんが、ワークショップの内容に興味のある参加者が集まりやすいでしょう。
とにかく注目を集めたい、メディアにもアピールしたいといったことが主眼であれば、タレントを起用するのも手です。ワークショップの目的や予算と相談して、どのような講演者を招くのがベストか考えます。
ワークショップの講演者・講師の探し方や依頼方法については、詳しくはこちらの記事でご紹介しています👇
ワークショップの企画に行き詰まった時の4つの対処法
ワークショップの企画を任されてアイデアを考えたものの、中々コレ!という企画を思いつかないこともありますよね。
一度思考が凝り固まってしまうと、何時間悩んでも1つも案が浮かばない…なんてことも。そんな時には一人で悶々と悩まず、第三者の意見を聞いてみると意外と視界が拓けてくるかもしれません。
ここでは4つの相談先をご紹介します。
上司や同僚に相談する
もしあなたが会社員なら、一番身近に相談できるのは職場の仲間ではないでしょうか。
ワークショップを一緒に進めているメンバーがいる場合、ブレストに付き合ってもらうと意見も聞けて親睦まで深まるかも。
プロジェクトリーダーやあなたの状況を把握している上司に相談するのも手です。アイデアのブレストでなくても、別の考え方を教えてくれたり、参考になる情報を提供してくれるかもしれません。
仕事と関係ない人に意見を聞いてみる
友人や家族など、あえて仕事とまったく関係ない人に相談してみるのも有効です。
というのも、プロジェクトやワークショップの主旨を知っている人物は、あなた同様に思考が固まっていることがあり得るからです。
その点、ワークショップについて事前知識のない人なら、より自由な発想で物事を捉えられる可能性があります。
自分が無意識に可能性を潰してしまったアイデアや、思いつきもしなかった切り口の企画案が救世主になることもあるかもしれません。
広告代理店に相談する
広告代理店やワークショップに強みを持つイベント制作会社といった、「企画のプロ」に相談すればさまざまなアイデアを提案してくれます。
こういった会社はさまざまな業種のクライアントに対して日々プロモーションやマーケティング戦略から施策までを企画提案しています。
もし広告会社やイベント会社に知り合いがいれば、そのツテをたどってアイデア出しに協力してもらいましょう。
ただし、ワークショップの企画から実施準備や当日の運営までを委託する際には相応の費用がかかります。最初から発注する気がなく、アイデアだけタダでもらってさようなら、はご法度。
相談する時には、委託することを視野に入れてコンタクトを取りましょう。
ワークショップを運営する会社に相談する
広告代理店以外にも、ワークショップの企画・運営のプロがいます。自社で数多くのワークショップやイベントを開催していたり、多くのユーザーが独自のワークショップを掲載しているサービスが挙げられます。
ワークショップやセミナーの企画や実施については、むしろ広告代理店よりも豊富な実績と知見を持っているといえます。
対応できる業務範囲はサービスによりますが、
ワークショップ企画の相談
ワークショップの講演者(講師)の手配や派遣
ワークショップの準備や当日の運営
といった内容を依頼することができます。
また広告代理店に依頼した場合でも、結局こういったワークショップの専門サービスに再委託するケースもあるので、直接依頼する方が仲介手数料がかからず安価に済む可能性も。
このあたりはケースバイケースですが、相談できるパイプはいくつか持っておくと良いでしょう。
まとめ:企画相談から講師派遣まで!ワークショップの相談なら「ストアカ」
この記事では、ワークショップの企画の作り方を汎用的な「5W2H」のフレームワークを用いてご紹介してきました。
このフレームワークに則って考えることで、ワークショップの本来の目的を実現できる企画を作ることができます。
とはいえ、さまざまな条件による制約もある中で企画を一人で考え続けても、なかなか両案が浮かばないこともありますよね。
そんな時には身近にいる同僚や友人などに相談してみましょう。さらに客観的、かつ、専門性の高いプロに相談したい場合は、日本最大級のワークショップ掲載サイト「ストアカ」にご連絡ください。
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